創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(638)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(30)

どうしたことでしょう?


これは、1965年12月11日に掲載されたのと同じ原稿です。
4ヶ月たたないで再掲載。
あなたの推理は?


画面の2ヶ目の原稿は、"The NEWYORKER" 誌ではなく、他の雑誌に載ったもの。



エイビスは2位にすぎません。
だからといって、
憐憫を期待してはいません。


私たちが泣きごとをいってますか? 大げさに負け犬を演じてますか?
ダヴィッド・ビーナー君(11歳)から「プリマスを買い足すのに使って---」と35セント同封の手紙を受け取るまで、考えてもいませんでした。
目からウロコが落ちました。
そこで、これまでの間違った印象を訂正しようと考えました。
あなたが私たちを可哀相と感じていらっしゃるなら、私たちはエイビスの車をお貸ししたくはありません。私たち全員が望んでいるのは、2位は1位のようによくなれることを証明することです。いや、それ以上によくなることを。だって、私たちはしっかり励んでいるんですもの。
私たち自身が、消極的なところを捨てて、積極性を強調すべきなんでしょうね。
「レンタカー業界で私たちは2位にすぎません」に代え、「われわれは世界で2番目に大きいんですよ」というべきなんです。


C/W
A/D ヘルムート・クローン Helmut Krone
"The NEWYORKER" 1965.12.11 1966.03.19



No.1がエイビスにこだわっている
その理由(わけ)---


最近、No.1の広告が大きく変わってきたことにお気づきのはずです。
ノー天気な男がクルマに飛び降りている広告をやめました。
それに代えて、エイビスの強がりキャンペーンへの対抗編というのを出してきています。
なぜでしょう?
No.1はレンタカーのシェアを減らしつつあります。
エイビスのシェアは伸びています(最近の主要26空港の統計です)。
「もっと一所懸命にやります」キャンペーンは着実に成果をあげています。
洗浄ずみのプリマス、満タンのガソリン、そして笑顔で迎えられたとき、あなたはNo.1のお客さまがエイビスへ移りつつあることを確信なさるでしょう。
その潮流は明らかです。
この調子で努力していけば、1970年、エイビスはNo.1になっているでしょう


(訳:梅地沙史 & chuukyuu)

左の1位の売上が、右の赤(エイビス・カラー)へ移動しています。