創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(709)「机上の目休め・・・サン・ルイの文鎮」(11)

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たとえば左の文鎮を見て「トカゲですね」という人と「アール・ヌーヴォー」
と様式をいう人がいたとします。どちらも正解なんですが、もっと正しくい
うと「デス・ボディー」なんだそうです。19世紀のなかごろ、小動物、両
棲類、魚、昆虫などを型どりし、金属や陶土での復元が流行したのだと。
で、文鎮は1848年にクリスタルガラスにより制作されたもののレプリカ。
トカゲは金彩、台はぶどうの木でピンクと白の色被(き)せ。


右側の「黄色い蝶」は、1mmの厚みもない筋入りの4趐に黒い縁取りと橙色
の紋をのせて立体感をつけ、6月9日の「青い蝶」とは印象を変えて、コレクター
の気をそそっています。作り手の意識としては、精進を訴えたいのでしょう。
目玉が光っているのは撮影ミスで、トレイシング・ペイパーで覆ったつもりが天井の
ライトを遮光しそこなったのです。即席フォトグラファーのチョンボ



とかげ  直径9cm 1980年 300ヶ        黄色い蝶 1989年




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