創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(202)チャック・コルイ氏とのインタヴュー(7)

チャック・コルイ氏
Doyle Dane Bernbach Inc.
Vice President, Copy Group Supervisor


『劇的なコピーライター』誠文堂新光社 1971.3.10 絶版 からそのまま転載)。


38年前にニューヨークで行ったインタヴューです。インターネットなど、情報の伝わり方の劇的な変化はありましたが、情報の中身を作る基本は、変わっていないように思います。人間そのものは、そう簡単には変わらないし、変われませんね。



広告の将来は、アイデアを売るビジネスとして伸びる


chuukyuu 「社会における意味、クリエイティブ・テクニックの発達という点からで、米国の広告の現在と将来についてどうお考えになりますか?」


コルイ 「それがわかれば、きっと私は百万長者になれるでしょう。
しかしながら、私はこう信じています。広告はもうすでに、ただ良し悪しをうんぬんするだけでは十分でなく、それを証明しなければならない段階にまできているのです。
さらにまた、証明するだけにとどまらず、それが重要であることを人びとに確信させなけれはならないのです。


私たちは、人びとの気持に即した方法でそれを証明し、はっきりしたものしなければなりません。人びとに示したためこ与えられた商品の特質をまとめけることだけが、私たらに要求されているなら、人びとは消費者向けの雑誌を読み、みんな同じ商品を買えはいいのですから---。
それなのにそんなことは起こり得ないのです。時には商品そのものが持つ何かを確固たるものにしなけれなりませんし、あるいは、商品そのものについて説明しなければならないのです。


もし、だれもが道理をわきまえ、合理的であるなら、そんなことをする必要はまったくないのですから---。
私たちは感情にまかせて物を買い、同じよにして物を売ります。それでいいのです。お金の価値というものを私たちが持っているかぎり、それはそれでいいのです。
広告は将来、今よりもずっと重要で、たいへんなものになっていくでしょう。ただ単に企業戦争が激しなり、製品がふえ、広告が氾濫するからではなく、これから一層、テレビのドキュメンタリーとか、政治広告とか健康問題をとり扱った広告などを含んだ社会競争が増えるからです。これからのものは、争って人びとの注意と関心をひきつけようとするでしょう。このことはもうすでに起こりつつあるのです。


クリエイティプな技術の将来の発展の方向については、私にはよくわかりせん。私の考えでは、ほんとうに新しいものはこれまで開発されていないものだと思います。私たちがやっているのは、ただ古くからあったものの表面を塗り変えて新しく見せているにすぎないのです。
もしあなたのいうクリエイティブ・テクニックという言葉が、メディアかアイデアの、機械による呈示を意味するものであるなら、もちろん、それは開拓され、広いものになると思いますしかし、立体テレビにしろ、マッチ箱大の本にしろ、その売り方の基本的な理論は同じままでしょう。


>>(了)



どんなものにもまして、最高の贈り物。


幸福感に満ちていて慌ただしく、そして輝けるクリスマス・シーズン---あらゆる贈り物の中で、とびきりなのは聖書でしょう。お友たちへ、家族へ、ほかのどんな贈り物と比べても、あなたの愛と敬意をこれほど雄弁に告げるものはありません。
今日、あなたが聖書をお選びになると、完全に新しい種類の用紙に印刷されていることでしょう。次の世代まで、読みやすい白さと美しさを保ち、ほとんど重さを感じない紙。オリンが開発した紙です。オリンは、あなたのすばらしいクリスマスに、いささかでもお手伝いできたことを誇りに思っています。


>>(了)