創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(678)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるソニーのシリーズ(5)


繁栄を確約する広告代理店DDB』(誠文堂新光社 ブレーン別冊 1966.10.01)より。


■ DDB調(上)


アメリカに『アドバタイジング・エイジ(広告時代)』 という週刊誌があります。
たぶん、この業界では最大の発行部数の業界誌だと思います。
この『アド・エイジ』誌の1965年9月27日号のコラム欄で同誌の常連寄稿家の一人、
スティプン・ベイカー氏が「DDBタッチ」と題するエッセイを書いていました。


「広告代理店で働く人間にとって、自分が働いていない代理店がすぐれていると
いうことを、公然と認めるということはそう簡単にできることではない。
しかし、DDBが誕生して以来、同社を誉める代理店マンが特に多くなってきて
いるようだ。
『DDB調でいこう』という言葉がマジソン街でよく聞かれる。
近ごろ、その頻度が増してきているようである」


との前置きで、DDBについての見解を述べています。もっともベイカーの使った
修辞は彼自身の発明ではなく、1958年4月4日付の『ニューヨーク・タイムス』で
カール・スビールボーゲルが、


「マジソン街の最近の『ピン・アップ』代理店はDDBである。
競争の激しい広告業界においては、他の代理店の仕事に対するお世辞は、そう
めったにあるものではない。
しかし最近では、あちこちの代理店の制作部門の人びとの個室に、DDB制作の
広告がモデルとしてピン・アップされているのをよく見かける」


と書いています。
しかしだれが先に言おうと、新学説の発表ではないのですから別にどうってこと
もありません。
問題なのは、1950年代後半からDDBは広告関係者の間で話題になりはじめたと
いうことです。
そう、1950年代後半からということは、創業7〜8年めから・・・ということです。
その理由は、第4章で詳しく究してみたいと思います。


イカーのエッセイのつづきですが、前置きのあとアート出身者らしい口調で、


「『DDB調』の広告とはいったいどんなものなのか。
これは人によって見解を異にする。
ちょうど美人という言葉の意味合いが人によって異なるように。
DDB広告の秘密は、グラフィック処理にあるという人もいる。
彼らはその好例としてオーバックス(百貨店)のキャンペーンで用いられた、
『大きな写真を使うアプローチの仕方』をあげる。
しかしこの『大きな写真』の擁護論者たちは、DDBが写真を小さく使うこと
〔例・アメリカン航空〕もあれば、全然使っていない広告〔例・エイビ
スレンタカー〕もあるということを忘れているようだ」


「DDBでは、写真は二義的意義しかもたないと主張し、コピーを問題にする一派
もある。
確かにそうかも知れない。
だが、『私たちには分かりません。でも、きっと何かあるんですよ』とか『ソフト
ウイスキー』とかいった、あのおそろしくうまいフレーズづくりはどうなっている
のであろう」


別の一派は、DDBの広告制作に対する熱意をうんぬんするが、DDBの有能な
タレントは、サラリーがよいためばかりでなく仕事の満足が得られるから喜んで
働いているのだと反論し、DDBのアーチストやコピーライターのユーモアの
センスをうんぬんする人びとに対しては、ポラロイド写真の広告には一片のユー
モアもないと反証。そして、


「DDBアプローチにおける共通分母は『正直さ』である」
と断言したあと、


「DDBは正直であると同時に、クリエイティブな広告をつくることが可能だという
ことを実証している。大げさなギミックがないにもかかわらず、DDBのつくる広告
は興味深いものばかりである。
こういうキャンペーンは、ショーマンシップだけでなく、事実に対しても深い注意を
払っている人びとだけによって制作されうるのである」


そしてこう結んでいます。
「確かにDDBのアプローチは、広告史上における、最も胸のすくイノベーション
一つである」




これが、世界一、
小さなテレビです。


あなたは、きっと、テレビは小さくても「いい」とお考えになって
いらっしゃるお一人ですよね。ここに、その製品があります(縦3
インチ、横8インチ、奥行き6インチ、重さ8ポンドをきっており、
AC電源でご覧になるときは、コード分が数オンスふえますが)。
戸外でご覧になるにもバッテリーをお持ちになる必要はありません。
ちゃんと組み込んでありますから、そのまま持ちだしください。
屋内であれ戸外であれ、映像の鮮明さでこれにかなうものはありま
せん。しかも、スイッチを入れた瞬間、もう画像がでています。
テレスコピック・アンテナの性能もコンソール型の屋外アンテナに
勝るともおとりません。オール・トランジスタですから、真空管
のような熱切れもありません。
外見はたしかに小さくはあります。が、実際にお使いになった
ときの性能たるや---驚きものです。


C/W ボブ・レブンソン Boblevenson
A/D レン・シローイッツ Len Sirowitz
"The NEWYORHER" 1994.09.12



This is
the smallest
in the world.


Maybe you're the kind of person who likes to watch a little tele-
vision. Well, we have one (or you. It's 3Vi inches high, 8V2 inches
wide and 6V2 inches deep And it weighs less than 6 pounds So
wherever you can go, it can go.
If you go outdoors, you don't have to carry a separate battery
pack. Because we packed our battery right into the set. And it's still
3V≪ inches high. 8V1 inches wide and 6V2 inches deep. And It still
weighs less than 6 pounds. (But when you attach the cord for AC
playing, it gains a few ounces.)
Indoors or out, no other set can approach the Sony for picture
sharpness And the picture comes on almost before your fingers
leave the switch.
The reception from our telescopic antenna is as strong as a
console model with a roof-top antenna And our 32 transistors and
17 diodes give heat-free operation so you get longer set life with
less servicing.
When you look at It, our set is little.
But when you watch it. it's tremendous.



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