(5)[バーンバックさんとDDB]に参加して
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ほとんど3週間にわたっての[バーンバックさんとDDB]の分載を、蔭で支えてくださった3人の方に、印象を語ったいただきました。
3年ぶりの session です。
session とは、DDBがそれまでの広告の創り方を一変させた[コピー=アート・セッション]方式に由来しています、いまの流行語でいえばコラボレイション。
写真は、蔭(黒子)のスタッフということではありませんが、期せずして逆光(後光)になりました。
チーフ・プロデューサー 転法輪 篤さん(左)
コピーライター 安田 慎一さん(中)
アシスタント・コピーライター菊地小百合さん(右)
T 1971年1月号の『コミュニケイション・アーツ CA』誌が行ったバーンバックさんのインタヴューが40年ぶりに復元されたわけですが、小見出しを担当なさったので熟読されたとおもいますが---。
Y バーンバックさんの発言がちっとも古くなっていないばかりか、メディアが多彩化しているいまこそ、原点にもどるべきだと思いました。
T 40年前といえば、お互い、まだ生まれていなかった(笑)。そんな前に、こういうことを発言した先達がいたとおもうと---。
Y 改めて、身がひきしまる感じでした。
K 私は、新卒入社でコピーを書き始めて1年たらずで、大先達の言葉に見出しをつけるというので、緊張しました。
Y でもバーンバックさんが話していることは広告クリエイターとしては当然のことです。製品が主役である---。
T 売り上げの増加に結びつかないアイデアは、にせもののアイデアである---。
Y それが「ハード・セル」だとも、断言している。まさに、そのとおりだと思います。
K クリエイターは広告する製品のことを知りつくせ---。
T 問題点をみつけよ---。
Y その前に、買い手にとって、利点となるものをもっていない製品は、広告できない---。
K 利点を印象深く伝えているかとうと、反省させられる点もありました。
Y DDBの環境のよさもうらやましい。
K 人材もそろっているんですね。人柄がよくて、クリエイティブであること。
Y 社内の雰囲気もですが、クライアントとの信頼関係の深さもうらやましい。けれど、うらやましがってばかりいても仕方がない。双方でつくりあげていくものでしょうから---。
T 聞いたところによると、1人のコピーライター、アートディレクターを募集すると、1000人からの応募があるらしい。で、提出するのは、前の会社でボツになった作品だけとか---。つまり、DDBなら通せるアイデアの持ち主かどうかをみているんですね。
Y バ−ンバックさんの言葉に、デスクにまわってきた作品を見て「こんなの、おれがつくりたかったよ」って---笑っちゃったけど、それほど多士済々に育ったんだ。
K 普通は、うん、うんと合点しながら、サラっと読みとばしていくことが多いのですが、見出しをつけるとなると、できるだけ内容を正確に伝えようと、つい、長いフレーズになってしまいがちでした。
Y ヘッドラインを創る要領なんだよね。短く、語呂よく、的確に---。
T お互い、いい勉強の機会になりました。