(627)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(19)
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当時の為替レイトは固定相場で、1ドル=360円でした。
アメリカ東海岸への航空運賃は、片道30万円ほどしていたような。
このノベルティ・バッジの制作費は1ヶ2.5セント=9円。
それを500万ヶ。12万5000ドル=4,500万円。
赤字会社がです。
アメリカ家庭を5,000万軒と仮定すると10軒に1軒の割りでバッジが行き渡っていたことになります。
バッジの絨緞爆撃---すごいキャンペーンだったのですね。
それでも、さらに仕様を変えてつくり、配りつづけたというのですから、徹底しています。
これくらい徹底したから、驚異的な失地回復ができたともいえます。
企業も、死を眼前に見なければ、立ち直れないのかも。
エイビスの持ち帰り自由のボタンは、
ほとんど
底をつきました。
左:古き良きボタン 右:簡素な新しいボタン
ボタン5,000,000個以上。
1個2.5セント、合計で125,000ドル。2位にすぎないということをいうための大出費。
だから、ボタンを補給する私たちの担当者は、簡素なバージョンに切り換えました。しかし効果は相変わらず誰にでもあることを保証します(担当教区の300人を善い行いへと導こうとするアフリカの司教さんでも)。
単にボタンをつけているだけで、世界は自然に住みよい場所になっていくかもしれません。
しかし、ボタンをつけるよりもっと肝心なこと。
エイビスは、受付の女性がボタンをつけたからといって、奇跡を期待してはいません。エイビスは、勝つ意志を持っており、それがみんなの胸に刷り込まれています。受付の女性にも、葉巻の吸い残しをフォードからつまみ出す男性従業員にも。
エイビスのボタンはお望みの方には差し上げています。
このボタンが効果を発揮するのは、書いてある言葉どおりに、身につけている人がしっかり働いているときにだけですから、念のため。
C/W デイヴ・ハーツブロン David Herzbron
A/D へルムート・クローン Helmut krone
"The NEWYORKER" 1965.04.31
(訳:梅地沙史 & chuukyuu)