創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(612)[ニューヨーカー・アーカイブ]を基にエイビス・シリーズ(4)


資料を見つけました。


シリーズ(3)とこの(4)、そして(5)は試作というか、最初にヘルムート・クローン氏(A/D)とポーラ・グリーン夫人(C/W)が創りあげたキャンペーンだったのです。
もちろん、"We're only No.2." も"try harder."も謳われています。


DDBに依頼がきた段階で、1位のハーツが市場の75パーセント(以上)を独占しており、残りのうちの10〜11パーセントを全国規模のレンタカー3会社が分け合っていました。3社は、エイビス、ナショナルともう1社。あとは地方の群小レンタカーでした。
どのような調査でも、多くの人が2位はエイビス、ナショナルは2位であったり3位であったりと。
で、クローン氏とグリーン夫人は、人びとの評価に従い、エイビスを決定的2位と訴求(これなら人びとが信じてくれる)、だから一所懸命にやる・・・という戦略を立てました。


さらに、エイビスの従業員たちの「エイビスが目立つように...」との要望を容れ、ビッグ・コピー&ビッグ・ピクチャーの(3)(4)(5)が出来たらしいのです。
つまり、(3)(4)(5)に紹介した8点は、第1次創作原稿だったのです。


しかし、ビートルのシリーズでビッグ・ピクチャー、スモール・コピーで名をあげたクローン氏は、第1次案では満足せず、第2次案・・・(1)(2)と、(6)(7)...以下のフォーマットを創り、これをエイビスのビジュアル・フォーマットとしたのでした。




エイビスは、吸殻の不始末を
を許しません。


さらに、生きいいスーパー・トルクつきのフォードじゃないようなことも、笑顔なしの見送りも・・・。
なぜって?
レンタカー業界で首位でなければ、もっと一所懸命にやるしかないでしょう?
私たちは、そうしてます。
だって、2位にすぎないんですもの。


C/W ポーラ・グリーン Paula Green
A/D ヘルムート・クローン Helmut Krone
"The NEWYORKER" 1963.08.10

ボツ案

(2本指のコピーは(1)と同文)