創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(377)[ニューヨーカー・アーカイブ]によるビートル・シリーズ(75)

実演して見せ、納得させるという効果の高さでは、TV−CMに軍配があがりますね。



途方もない値段の車の購入費でこれだけ買えます。


最近の新車の平均購入価格は3,260ドル(自動車工業会の調査)。
3,260ドルあれば、新しいレンジ、冷蔵庫、乾燥機、洗たく機、テレビ2台、レコード・プレヤー、そして1,639ドルのフォルクスワーケゲンが買えます。
もちろん、途方もない値段の車についているような手のこんだ付属品は、私たちの小さなバケット・シートにはついていません(たとえば、電動式灰皿クリーナーとか太陽が出ると消えるヘッドライトなど)。
しかし、おいしい食料品、清潔な衣料、すばらしい音楽、そしてカラーで再上映される夏を見るチャンスつきといえます。
すてきな値段がついていないといって、フォルクスワーゲンに眉をおひそめになる方がたくさんいらっしゃいます。
もう一度見直してください。
あなたが手に入れられるものがどんなにすてきかを。


C/W ジョン・ノブル
A/D ロイ・グレイス

"NEWYORKER" 1967.08.19


YouTube
フォルクスワーゲンのTV-CM
「ジョーンズ氏とクランプラー氏」



建売住宅らしい2軒の家。左がジョーンズ家、右がクランプラー家。
朝、2人は挨拶をかわして徒歩で左右にわかれる。
やがて、ジョーンズ氏がフォードらしい車で帰ってくる。


アナ「ジョーンズ氏とクランプラー氏はお隣同士です。2人とも3,000ドルずつ持っています。
ジョーンズ氏は、そのお金で3,000ドルの車を買いました。
ランプラー氏は、そのお金で、新しい冷蔵庫とガス・レンジ、新しい洗濯機、新しい乾燥機、新しいステレオ、新しいテレビ2台と、新しいフォルクスワーゲンを買いました。
そこでジョーンズさんは、今、お隣さんの生活水準に合わせなくちゃならないという問題を抱え込んでいます」



The beetle's ads series with "New Yorker's archive (64)



All for the price of a fancier priced car.


$3,260 is the latest average price paid for a new car these days. (So says the Automobile Manufacturers Association.)
$3,260 will also buy you a new range, a new refrigerator, a new dryer, a new washer, two new television sets, a
record player and a $1,639 Volkswagen.
Of course our littie package doesn't include all those tricky little items you find on those fancier-priced cars. (Like electric ashtray cleaners. Or heodlights that disappear when the sun comes out.)
But it does include good food, clean clothes; nice music and a chance to watch all the summer reruns in color.
A lot of people frown on a Volkswagen because they feel it doesn't offer enough in the way of fancy gadgetry.
Look again.
How fancy can you get?


C/W John Noble
A/D Roy Grace


"NEWYORKER" 1967.08.19