(547)Some Favorite Ads, till 1969 (5)
『DDB ニュース』1970年7月号の表紙です。
彼女は、ミズ・パトリシア・コリンズ。
クリエイターではありません。
表紙の活字にあるとおり、DDBがこの月から始めた「今月の秘書選抜」の第1号に選ばれたので表紙を飾ったのです。
記事中に「彼女はDDB−NY勤務」とあるから、世界中の本・支店規模の催しのようです。
ミズ・コリンズは(1970年7月からいって)5年半前にDDBに floater(臨時雇い) として入ったのだそうです。
「私って、floating が好きだったんです。1ヶ所にじっと勤めるの、趣味じゃなかったんですが、ここは、とっても働きやすいし、いい人ばかりなんで、つい、5年もすごしちゃいました」
アルカ・セルツァー(制胃酸剤)と風邪薬のアカウント部の秘書。このクライアントは厳しいことでも有名。それを大過なくこなしているのだからたいしたもの。
記事によると、仕事をダブル・チェックしている---とあるが、秘書術でいうダブル・チェックとはどういうことなのでしょうか?
自選作のラストは、重鎮2人。
Mr.Jack Dillon
このコピー---ある問題の最も良い解決法の一つであるように思ったので、自分が好きな広告としてこれを選びました。
数年前、『ニューヨーク広告界ニュース』紙が、主要広告代理店のいくつかが、アメリカン航空のアカウントを獲得するために大プレゼンテーションの準備をしているとの記事を第一面を載せました。
アメリカン航空は、この記事によって当惑し、同紙に、アメリカン航空は、DDBに満足しているといった意味の広告を出したいと依頼し、代理店を変える意志は全く持っていないと断言しました。
これは気はずかしい課題でした。
あなただったら、どんなふうに自分のことを書き、クライアント名をそこに署名しますか?
(また、他の広告代理店にDDBを特別扱いしていること示す機会があったとして、あなたならどうしますか?)
これは私たちがやった広告です。
私は、これが掲載された日に、大ショックがマジソン街を走ったと聞きました。
わが社が広告代理店を変えるなんていうのは、
根も葉もない噂でしかない。わが社は、やっと、信頼できる代理店に
めぐりあったばかりなんだ。
A/D マーヴィン・ファイアマン
絵: サクソン
★ ★ ★
Mr.Leon Meadow
(要約)クリエイティブの問題とは別に、両親の同意を得ることありましたからね。アン・フリンは実名で実在している子供でしたから。
困難をきわめました。アンの両親は『ライフ』誌にこの広告が掲載された場合に、彼女の友人たちによってアンが重大な困惑を引き起こすかもしれないことを恐れていたのです。
しかし、終局的には、広告は、彼らの個人的な危惧を十二分にカヴァーしたのです。
すべては正しい方向へ収斂したのです。 心温まる読者からのたくさんの応答をもたらしました。 アンと同じような障害な苦しんでいた子たちに手術を受ける決心を両親にさせたのです。
ライターが創った広告から受け取るこれ以上の報酬がありましょうか。
クライアントにとっても---。
アン・フリンの両親がこの写真の使用を許可したのは、なぜでしょう?
理由は2つあります。
(1) 適切な手当てを受けた彼女は、いまではすっかりよくなっていること。
(2) フリン家の問題は(あなたもご存じのように)すべての子どもの目の問題につながっていること。
すべての親ごさんに、アンほどひどくはないとしても、目の障害のことを知っていただきたいと思ったのです。それは発見しにくいことです。あるいは、さほど重要とみなされないで見過ごされがちです。
ご注意ください。お子さんが3歳になる前に目の専門的な検眼を受けさせてごらんなさい。学校にあがって初めてやるというんではなくて---その後は年に一度ずつ。
とりわけ、このことをお忘れく。ほとんどの目の問題は予告なしに迫ってきます。しかし、徴候はあります。あなたに即刻の行動をうながすつぎのような徴候です。
1 しつこく頭を傾ける。
2 過度に眉を寄せたり、ひどく斜視する。
3 過度に目をこする。
4 片方の目を閉じたり伏せたりする。
5 本を目に近づけすぎる。
6 読んだあと、頭痛を訴える。
7 普通よりもまばたきの回数が多い。
8 目の動きを異常に繰り返す。
ベター・ヴィジョン協会
A/D Len Sirowitz
明日からは、「結婚していて仕事で成功しながら離婚しない法」をDDBのキャリア女性たちが語る