(467)レオ・バーネットについて(了)
《?尋ね人?》
菊川淳子さん 45年前に20代。たぶん、大手広告代理店に勤務。東京コピーライターズクラブの事業の一つとして『5人の広告作家』(誠文堂新光社 1966.3.25)を翻訳/編集したとき、会員のどなたかの紹介でレオ・バーネットのインタヴューを翻訳してくださいました。AWAの会のメンバーではなかったようです。
今回、当ブログに、バーネット関連で訳文の一部を使いたいので、連絡をとりたいのです。ただし、こんなブログなので無報酬です。
ご当人かお知り合いの方か、当コメント欄へのご連絡を、お待ちしています。
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広告は信仰である (2) 志垣芳生
クリエイティブ・マンの個性について
広告界には、泣き虫のクリエイターがいる。
彼らは口を開けば、「クリエイティブ・マンの代理店がほしい」といい、「クリエイティブの自由が欲しい」と泣き叫ぶ。
彼らは効果のある広告に関心があるのではなく、エゴの満足に熱中しているのである。
クリエイターが広告の現実から目をそらしていることが、現在、退屈で効果のない広告がたくさん出ている一因である。
コピーライターと経営能力について
クリエイティブの仕事は孤独な仕事であり、自分で考えること、精神的に自立する能力が要求される。
だから多くのコピーライターは一匹狼である。
そうでないと、すぐれたライターにはなれないともいえる。
しかし、一匹狼ではトップ・マネジメントの人間として不適格である。
この矛盾を解決して経営陣に入ったライターも少なくない。
性格と意欲の問題である。
アドマンの姿勢について
近代的な代理店では、「われわれは広告をつくる。他のことはクライアントがやる」などとはいわない。
つねに、商品のセールスという方向で協同作戦である。
私の信条は「広告のプランをたてるときは、セールスのプランをたてよ」である。
われわれはただの花形セールス・マンでなく、あたかもクライアントの取締役会に参加しているように行動すぺきである。
これである程度、レオ・バーネットの思想、情熱のほどが、おわかりいただけたと思う。
じっさい、私がシカゴで、レオと彼のスタッフに会ったときも、長年彼がいっていることが、組織となり、作品となって、そのまま形を成しているように思われた。
クリエイティブ・ディレクターから受付嬢にいたるまで、レオの情熱、人間的なあたたかさが肌で感じられたのである。
あるアートディレクターは、「レオはベスト・セールス・マンであり、ペスト・コピーライターであり、ペスト・アートディレクターである」と語ってくれた。
ある受付嬢は「この会社に働いていることは、とても幸せです」と話してくれた。
レオ・バーネットは、本職の仕事のほかにも、巾ひろく精力的な活動をつづけている。・
広告協議会、およびシカゴ・ベター・ビジネス・ビューローの理事であること、シカゴ名誉市民100人の一人に選ばれていることなどからも、その一端がうかがわれよう。
彼はいま、直接コピーを書くことはあまりないようだが、彼の広告にたいする信念は、レオ社のクライアント28社の作品の中に生きている。
彼にとって、広告はたんなるビジネスではなく、信仰なのである。
志垣くん、ありがとう。
『5人の広告作家』より
『5人の広告作家』より
ダヴィッド・オグルビー氏とのインタビュー
>>ダヴィッド・オグルビー(David Ogilvy)氏とのインタヴュー
>>『調査から導き出されたコピーライター、アートディレクター、TVプロデューサーのための97の心得』
(AWAの会のメンバー(当時) 50音順・敬称略)
赤井恒和、秋山晶、秋山好朗、朝倉勇、糸田時夫、岡田耕、柿沼利招、梶原正弘、金内一郎、木本和秀、国枝卓、久保丹、栗田晃、小池一子、小島厚生、清水啓一郎、鈴木康行、田中亨、中島啓雄、西部山敏子、浜本正信、星谷明、八木一郎、吉山晴康、渡辺蔚。(その他の協力者)菊川淳子、高見俊一、滝川嘉子、秦順士