創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(414)ゲイジ、ロビンソンさん、25周年を語る(5)

ムダ話を一つ。
各文化センターの教室での受講者の90%は女性だが、ただ2クラスだけ、男性受講者が過半数を占めている。デジカメ教室と、ぼくがやっていた[鬼平クラス]です。男性は、それくらいシューティングが好きだし、亜芸術志向が強い。

さて、述懐。
ぼくは、引用したポラロイドの広告にたちまち惹きつけられてしまったのです。
デジカメが登場するはるか、はるか、昔---半世紀も前。カメラがまだ高価に思えていた時代です(生活水準はあがりましたね)。「ハイ、チーズ!」なんて掛け声も日本語になかったころです。
撃たれました。


記事は『DDB News』1974年6月号 25周年特集号より意訳)




:創ったものの中で、誇らかにおもっているのは?


ゲイジ:そうですね、オーバックス、クラッカー・ジャック、ポラロイド....これらの中に、誇りにしているものが幾つかあります。すべてとは言いませんが。


つっ立ってないで、何かしろよ!


「ハィ、そのまま!じっとして!」の代わりにこういった方がいいスナップ写真がとれますよ。自然でポーズをとらない---。
ポラロイドの自動10秒カメラでとれるのはこういった写真です。
この新ポラロイド・ランド・カメラは活動的を男の子の瞬間の動きをとらえた写真も、空中のタイバーの写真もとることができます。明るい太陽のもとでは、その光電管がすばやく1/1000秒のシャッター・スピ- ドを選んでくれます。
ピンボケでは? などと思いわずらわなくてもだいじょうぶ。焦点を合わす必要などないのです。
でき上りの写真はとてもシャープです。ポートレイトをとるときは30インチまで近寄ってとることができます。
操作も、これ以上簡単にならないほど簡単です。
ただカメラを向けて、3つのボタンを押すだけでいいのです。どんなに明るくても暗くても、光電管が適切な露出を選んでくれます。(室内用に専用フラッシュもあります)。
そして、ポラロイド・ライド・カメラですから、10秒でその写真が見られます。
ポラロイド10秒カメラは、75ドル以下でお求めになれます、お買いどきではありませんか?

【chuukyuu注】atsushiさんが、ネットから見つけてきてくださいましたので、このブログがますます有用になってきました。


クラッカージャック傑作CM
(クリック)




http://www.youtube.com/watch?v=o4t3WnOYe-Y&NR=1
(↑埋め込み無効設定のためリンクのみ)

問:お挙げになったものは、人びとの心を感動させたものですね?


ゲイジ:あ、誤解しないでください、いつもいつも受け手を感動させての涙を狙っているわけではないのですよ。
ドラマチックに感動させることもあります。ポラロイド360の新発売の時のことでいうと、アナウンスメントは劇的に書かれており、グラフィック的にも音楽的にもよくできていましたが、それは心情的に新登場のカメラが「欲しい」しいと思わせるためのものでした。


ロビンソン:素(す)に近いっていうのかしら、でも、まったく異質のものって感じは、よくでてました。


ゲイジ:通りを行進する軍楽隊の力強さに乗せられるって感じのものでした。


問: SX-70 の発表の時も、みんなが欲しがりました。

ラジオCM---想像するしかありません(笑)
クリオ賞・受賞

DDB News』(1974.8月号より)


ロビンソン:知的な売りであって、なおかつ感情がこもってました。


ゲイジ:情感をこめるってことでは議論しました。製品的には、まだ情感で売るって部分があったんです。いわゆる常識的な意味での情感ではなく、製品そのものがかもしだす価値のある情感ですが---。



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