創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(469)シーヴァス・リーガルの広告(17)


シーヴァス・リーガルの広告に、”What other outrageous luxury costs $12.00?" と言っているのがあります。「ほんの12ドルなんていう贅沢品が他にあるでしょうか?」との問いかけなんですが、このほかでは、ほとんど、”Luxury”という用語は使用していません。
使っても”Expensive”がせいぜい。
”Luxury”とか、”Expensive”などの手垢にまみれた用語を使わないで、どう高級感、良質感を暗示し、納得させるかが、クリエイターの腕のみせどころです。

たとえていうと、片手をしばられてボクシングをしていながら、相手(読み手)を殪す技量の持ち主ということでしょうか。


つまり、昨日今日は、贅沢篇ってつもりの、くくりです。


手頃なぜいたく品と思っているのに
どうしてぜいたくなスコッチとお考えになるのですか?



1976.9.27『ニューズ・ウィーク』


生活費はほんの少々かさんだとしても、
生活水準はかなり上がるはずです。


1974.4.29 『ニューヨーカー』
1974.11.4 『ニューヨーカー』




Your cost of living may go up a little
but your standard of living will go up a lot.