(325)ボルボの広告(19)
今日のテキストは、「読む」のではなく、一瞥「感じる」でいいとおもいます。米国政府機関から自動車メーカーへ出されたものですから。広告には、「感じさせる」コピー・パーツもあっていいわけです。今日のテキストには、昨日までのボルボ社の安全テスト主任とのインタヴューがつづきます。ただ、一瞥ですむものを、先にあげると、読み手の興味がそがれるとの老婆心から順序を入れ替えました。本と違い、ブログでは1日1日が勝負ですから、毎日、工夫が必要なわけです。シンドイですね。お金にもならないことに最大の神経を使うわけですから。まあ、製品設計とか広告制作は、これ以上に神経をつかいますが。
安全性論議の前から
安全性への関心
先日(1967年)、新聞を読んでいたら、自動車が原因の日本の交通事故も、「兇器」型から先進国なみの「棺桶」型へ移行しつつある---といった記事が目についた。
「兇器」型というのは、歩行者などに対して自動車が加えた殺傷事故であり、一方の「棺桶」型は、車同士あるいは車だけの事故によって運転者や同乗者が死傷することを意味する。
そして、自動車の普及につれて高速道路が伸び、かつ一般家庭の自動車保有率があがってくと、「棺桶」型事故がふえてくるというのである。
それらの国では車そのものの「安全性」に対する要求が高まってくるともいわれている。
そういえば、最近(1968年)の日本の自動車の広告にも、「安全設計」とか「安全性」とかいった文字がちらほらしはじめている。
自動車は、現代のもっとも主要で大衆的な輸送手段である。それに別の意味地位の象徴とか輸出産業とかをくっつけて語ったとしても、依然としてこの本質的な性格は変わらない。
したがって、その分野での社会的問題も、当然生まれてくる。「安全性」と「交通事故」もその一つであろう。
この「安全性」の論議は、むしろ遅すぎた観すらあったが、米国でも活発になり、1968年1月1日以降売られる車は、次のような安全基準に合格したものでなければならなくなった。
1.スイッチ類の適正な配置とその識別
2.変速機構(ミッション)の変速法(シフト・パターン)標示等の規定
3.フロント・ウィンドウの霜取装置の装備
4.ワイパーとウォッシャーについての規定
5.2系統ブレーキと故障時の警告灯の装備
6.ブレーキ装置に使われる優秀なホース
7.視界を妨げるような反射物体のギラつき防止
8.後方がはっきり見えるバックミラー
9.タイヤの空気圧、構造、耐久性などの規定
10.タイヤ荷重と使用リムについての規定
11 乗客を保護する計器類などの防護用のパッド
12.衝撃吸収ステアリング・コラム
13.衝突時におけるハンドルの後方飛び出し防止
14.ウィンドウのガラス材についての規定
15.衝突時にドアの開かない安全ロック
16.座席の取付け固定の強度
17.安全ベルトの装備の義務づけ
18.安全ベルトの性能についての規定
19.安全ベルトの取付け金具の強度
20.歩行者等に危険なホイール・キャップ禁止
21.衝突時における燃料タンク等の発火防止
以上に対し、米国を主要輸出市場と考えている、ボルボ社の対策はどうであろう。
(つづく)
21319 021319
あなたの車の積算距離計には
5桁の数字が並んでいます。ボルボは6桁。
あなたの車をつくった人たちは自信がないかのような印象を人に与えかねません。
ボルボの積算距離計(自動車業界用語では車程計)は999.999までいって
初めて000,000にもどります。あなたの車では絶対にこうはいきません。
もちろん、ボルボもそう。
でもボルボが99,999(注:mile=159,999km)を越えられることはたしか。
ボルボは、いいですか、スウェーデンでも平均11年間は保つ車です。たとえば1年で16,000km走るとすると、11年間では160,000kmという計算になります。
でも、ここ合衆国でもボルボが11年間---あるいは160,000km---保つという確約はできません。でも米国で過去11年間に登録されたボルボの95%が今も道路を走っていることはたしかです。
また前のボルボ(5桁)を99,999マイル運転し、積算距離計をいったん00,000にもどし、さらに45,000kmばかり走ったうえで走行距離の少ない車だと偽って持ってくる人がいるとこぼすボルボのディーラーがいたこともたしかです。
だから新型のボルボ144をつくるにあたって、どうしても積算距離計を6桁にする必要があったのです。
でも、あなたの心をとらえるのは、ボルボがいつまで走れるかということを示す積算距離計だけではありません。
どれだけ経済的に走れるかを示すガソリンゲージもあります。ボルボはオートマチック・ギアでもリッターあたり10.6kmで走ります。
それが他と車とボルボが根本的に違う点です。
他の車はたっぷりガソリンを食って、ちょっとしか走らない。ポルポはちょっとのガソリンで、たっぷり走ります。
21319 021319
Your car has five numbers
on the speedometer. Volvo has six.
One could get the impression
that the people who made your car
lack a little confidence.
The Volvo speedometer (odometer in automotive talk) goes up to 999,999 before it Aips back to 0. We dare say your car willllever make it.
Of course, neither will a Volvo.
But what a Volvo can do is go beyond a mere 99,999.
Volvo, remember, is the car that lasts an average of eleven years in Sweden.
Eleven years, at say 10,000 miles a year works out to 110,000 miles.
Now we don't guarantee that a Volvo will last eleven years here in the States---or go 110,000 miles.
But we do know tbat over 95% of all the Volvos registered here in the last eleven years are still on the road.
There are also Volvo dealers who have complained bitterly about people drivjng 100,000 miles on previous (5 digit) Volvos, letting the odometers flip back to zero, driving another 30,000 or so miles and trying to peddle lhem as low-mileage cars.
So naturally, when we made the new Volvo144, the sixth digit on the odometer was inevitable.
But an odometer that tells you how far yon can go isn't the only thing you'll like about a Volvo.
There's also a gas gauge that tells you how economically you're getting there.
Volvo gets nearly 25 miles to a gallon, even with automatic transrnission.
Basically, that the difference between Volvos and other cars.
Other cars go a little way and use a lot of gas.
Volvo go a long way and use a little gas.
(つづく)