創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(134)『コピーライターの歴史』(12)

今日のテキストをタイピングしてくださったのも、転法輪(広告プロデューサー)さん。いろんな方のご協力でつづけられています。感謝。ただ、読んでくださっている方の反応が少なすぎるみたい。真面目すぎるインターネットって、こんなものなのかしらん?


『コピーライターの歴史』(12)

キャロル・J・スワンと「どの広告が・・・」シリーズ


スワン(Carroll J. Swan)は、『プリンターズ・インク』という週刊業界専門誌の編集長です。
在任中、同誌に「どちらの広告が効いたか? Which Ad Pulled Best」欄を設けて、広告テストに関する読者からの報告を連載し、好評を博しました。
彼が担当したのは7年間ですが、この欄は、経営者が変わって隔週刊になった今日(注・1966当時)でもなおつづいています。
この欄をごらんになったことのある人はご承知だと思いますが、引例されるテスト広告は種々雑多で、あるものは問合わせを、またある広告はリーダーシップを測定したものであり、そのテスト方法も、スプリット・ランあり、別の調査方法であったりして、一様ではありません。
したがって、1回きりの結果をみて判断したり議論したりすることは危険ですが、先にも述べたように、このシリーズは20年近くも継続されているので、その積み重ねから、いくつかのコピー原則を引きだすことは可能でしょう。
スワンも、このシリーズをはじめた4年目には、掲載された約150例のテスト結果を分析して、一般的原則を明らかにしました。
それは、1951年に出版された同題の本にまとめられています。
また、この本の好評に気をよくした彼は、つづいて1955年にも続編ともいえる同様趣向の『テストされた広告コピー Tested Advertising Copy』を出版しました。


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