創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(131)『コピーライターの歴史』(9)

このシリーズも9日目を迎えた。広告を学んでいる、あるいは志望している全国の学生さんに、いささかでもお役に立っていればいいのだが。この章の入力も転法輪(広告プロデューサー)さんのお力を借りています。転法輪さんに感謝。


『コピーライターの歴史』(9)
マーク・ワイズマンの分析


1942年、ワイズマン(Mark Wiseman)は『広告の分析 The Anatomy of Advertising』という本を出版しました。
これは、彼が広告代理店ヤング&ルビカムほかの製作部門で働いた30年間の経験をもとにして、たくさんのリーダーシップ(精読率)のデータを分析、再分析して、広告主が雑誌、新聞広告をつくる際の技術的指導的原則を明らかにしたものです。
この本の由来と目的について、彼は、つぎのようにいっています。

「過去4年半の間に、私はいくつかの寛大な代理店と広告主の協力を得て、広告に対する読者の回答を取りまいている神秘性のいくつかを打ち破ろうと努力してきた。
いくつかの重要な指針が発見され、それらを点検し、それらが引きだされたデータを組織化し、その調査結果の実際的な分析、解釈、適用を企てることは、価値のあることと思われる」

この本が1945年に再版されたとき、ワイズマンは、本の内容がいまだに古くなっていないと強調しています。
また、その原則は、ギャラップ調査、そしてその後行われた広告調査財団によっても確証されました。


>>『コピーライターの歴史』目次