創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(119)ソニーテレビの広告(22)

ピッツバーグのヨーコムさんの家に滞在した時、同家の夫人から新流行の「テレビ・デイナー」の存在を教えられたのは、丁度、この広告がつくられた1968年ごろだったように記憶ている。そのころ、米国の主婦はパートなんかで働いて、子どもには「テレビ・ディナー」をチンしてすますように言いつけたのだと。あるいは夫婦で音楽会に行くので---。いま考えると、コンビニの米国式弁当だ。これは、その風潮のDDB流風刺である。時代史として記録しておくべき広告。



TVディナー


今度、あなたが小さなバッケージに押し込まれた冷凍食品と大きなテレビを同時に前にした時、率直にいって、この逆だったら・・・と心のどこかで思うでしょう。
りっぱな料理を食べて、テレビをその小さなパッケージに押しこんだほうが、もっと便利なのではないかしら?
ソニー500Uは、あなたはすぱらしい料理とあなたの見たいテレビをディナー・テーブルに同時にサービスいたします。
すばらしい、食事とテレビ、この両方がそろえば、あなたはゆったりとなさるでしょう。
ごちそうをにらみながらブラック・スクリーンをごらんになれます(対角線に測っても長さは5インチですょ。イヤホーン。ご自由にいつでも再充電できるバッテリ。焼き鴨、新主羊なブロッコリー。バター炒めの小さなにんじん。手軽にできるポテト・パフ。
いいですね。
予想tもしなかったことでしょう。が、ソニー500Uのテレビ・ディナー(テレビつき晩餐)はやがて家庭料理の常識となるしょう。
ソニー500U-TV
1968 米国ソニー。二ューヨーク5番街585のショールームにお立ち寄りください。




TV diners.


Next time you're parked in front of a big TV with a knee-ful of frozen food squeezed into a tiny package, ask yourself in all honesty:
Wouldn't it make more sense to eat a big dinner and squeeze the TV into the tiny package?
With a Sony 5OOU. you could have real food and all the TV you want right at the dinner table.
With two of them, you could even have real tranquility.
You'd get a black screen for contrast (5 whole inches of it measured

diagonally). An earphone. An optional snapon rechargeable battery pack. Roast duck, perhaps, and garden fresh broccoli. Buttered baby carrots. Whipped potato puffs.
Who knows? With Sony's 500U, the last word in television dinners may well be home-cooking.
The Sony 600U-TV