創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(185) 大もの---ジョージ・ロイス氏(17)

Great art director Mr.George Lois


【ジョージ・ロイス氏のエッセイ(5)】

マーケティング志向

(Art Direction誌 1963年4月号)


すぐれた広告をつくっている代理店をやっつける方法は、なんでもいいから、彼らはマーケティング志向をしないと言うことである。
「彼らは確かにすばらしい広告をつくっている。しかしいったいセルするのだろうか?」
と、ある種の広告人はよくいうが、代理店の発展の50%は現在のクライアントによっているのだから、これはおかしなことではないか。たとえば、PKLの第一の目的は、ちょっともうけたら、なによりもまずマーケティングと媒体の部門を作ることだった。
PKLはそうした。
私たちのところには、いやというほど訓練し経験した結果、マーケティングは科学ではないということをよく知っている人びとがいる。統計学やファクト(現象)や社会学者のお説教を山と積んでもマーケティングは科学にはならない。マーケティングにはうるさいおしゃべりよりも発明が必要である。
もし広告が退屈でおもしろくないなら、煤体部門はあなたにいつもそれを記憶させるようにうるさく言わなければならない。もし広告が「人びとの記憶に残るような」ものなら、媒体部門はもっと自由に、もっと思い切った方法で買うことができる。
だから、広告の制作にあたってトップ・クラスのマーケティング・マンや媒体部門が、トップ・クラスのクリエイターといっしょに働くことができれば、彼らは前よりもよくなる。すぐれたアートディレクターやライターなしで働いているすぐれたマーケティング・マンは、マーケティング・マンとしてはすぐれてはいても、彼の関係している商品の広告は評判が悪いということにもなりうる。
そして、ある代理店の広告が悪いとき、自分たちのことを「マーケティングオリエンテッド(志向)」と称する。
おわかりかな?


トリビューンはニューヨークのどの新聞よりも若い高収入家庭の注目を保っているんだ。


ジョージ・ジェンセン社は、トリビューンで2,200ドルのダイヤモンド・ブレスレットを広告しているんだって---


あたり前よ。最近の調査で、ジェンセンの顧客の63%がトリビューを読んでるって出てるもの。




The Trib has the highest concentration of younger,upper income families of any N.Y. newspaper.

Georg Jensen,Inc. sells $2,200 diamond bracelets in the Trib.

Makes sense. A recent study of Jensen's shoppers showed 63% read the Tirib.


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