創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(174)大もの---ジョージ・ロイス氏(6)

Great art director Mr.George Lois


ウルフシュミット・ウォッカのシリーズは、広告史上で初めて意図的に、製品に人格を付与したシリーズとして、末永くに記録されるべきだと、ぼくは考えています。擬人化ではなく、人格付与です。
VWビートルのキャンペーンは、堅実で、合理的にものを考える技術屋タイプのユーザーの性格をいいあてました。
ウルフシュミット・ウォッカは、もう一歩すすめて、製品自体に人格を与えたのです。酒好きで、酒が入ると、つい口が軽くなり、隣のカウンターに座った可愛い子ちゃんに、冗談まじりで、危ない声をかけてしまうような憎めない男性(女性だったら、イケメン・ボーイ・ハントの場面に置き換えましょう)。声をかけられた女性のほうも、それともとれるような受け答えをする---道徳心の強い人は表面的には眉をしかめるが、なに、あなただって飲めば楽しくなり、羽目をはずすことだったあるでしょう---そんな、遊びごころの強い、チョイ悪の男性の人格です。そして、対象としているのは、読者の10%よりも少ない、ユーモアを解する人たちなんです。


「かわいいお嬢さん。ほんとにカワイ子ちゃん。
ぼくの趣味にピンとくるね。 
 ぼくがきみのいいところをひき出して有名にしてあげよう。
 こっちに転がってきて、キスしようよ」

              「先週ごいっしょだった
              トマトさんは,だあれ?」


ウルフシュミット・ウォッカは純正でよき時代のウォッカ特有の微妙な味わいを持っています。スクリュードライバーに使われたウルフシュミットは、オレンジを耽惚とさせます。ウルフシュミットは、ひと口ごとに最高の味わいです。




"You sweet doll, I appreciate you,
I've got taste.
I'll bring out your inner orange.
I'll make you famous.
Roll over here and kiss me."


     "Who was that tomato
     I saw you with last week?"


Wolfschmidt Vodka has the tauch of taste that marks genuine old world vodka. Wolfschmidt in a Screwdriver is an oranle in ecstasy. Wolfschmidt brinlgs out the best in every drink.


さて、先週、ウルフシュミット氏とご一緒だったトマト嬢ですが、あるはずのカラー写真が見つかりません。で、とりあえず、モノクロ写真で間にあわせておき、あとで、カラー写真と取替えることに。トマトが女性の何を象徴するかは、ご存じですよね? 真っ赤なドレス姿でお色気たっぷりのトマト嬢をお見せできないのが残念。


「きみは、たいしたトマトだよ。
2人で美味しいブラディ・マリーがつくれるよ。
ぼくは、その辺の連中とはできが連うんだからね」


     「あなたって好さよ、ウルフシュミット。
     あなたって味がいかすんだもの」


ウルフシュミット・ウォッカは、純正でよき時代のウォッカ特有の微妙な味わいを持っています。ブラディ・マリーに使ったウルフシュミットは、勝ち誇ったトマトの味です。ウルフシュミットはひとロごとに最高の味わいです。




"You're some tomato.
We could make beautiful Bloody Marys together.
l'm different from those other fellows."

     "I like you, Wolfschmidt.
      'You've got taste."


Wolfschmidt Vodka has the touch of taste that marks geunine old world vodka. Wolfscmidt in a Bloody Mary is a tomato in triumph. Wolfschmidt brings out the best in every drink.


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