創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(70)フォルクスワーゲン・ビートルの広告(43)

自社製品の壊れた写真の使用を許す、米国VW社の度量の広さ(もっとも、当初はそうではなかったが、DDBに説得されたことと、DDBのプレミアム・クライアントとなったことに、誇りと自信がついた)。
女性は運動神経が鋭くないと揶揄されても、「まあまあのユーモアね」---と笑ってすましてくれる米国女性の高い感覚。


遅かれ早かれ、フォルクスワーゲンを所有する利点を、
奥さんが駆使する時がくるでしょう。


やさしく、おとなしいのが女性です。しかもぶつける名人でもある---。
でもフォルクスワーゲンでなら、何にぶつかっても、そんなに大事になりません。
VWの部品は取替えが簡単です。 しかも安い。フェンダーなら自動車半分をはずしてしまわなくても取り替えられます。そして10個のボルトがあれは、新しいフェンダ-がついてしまいます。 24.95ドルと取り付け作業費だけで。
そして、VWのディーラーは、あなたがお求めのフェンダーをいつもそろえています。なにしろ、それ1種類しかないんですから。
VWの部品は取替え可能なものがほとんどです。中も外も。
すなわち、奥さんもフェンダーを安心してぶつけていいわけ。
フードだって突いてけっこう。ドアをかすったって平気。バンパーをぶつけたってね。
頭にくるかもしれませんが。貧しくはなりません。
だから、奥さんがVWでウインドー・ショッピソグに出かける時も、気持ちをゆったりと。
彼女が自動車を止めるのに使った部品は、うまい具合に交換できるんですから。
それがブレーキであってもね。





Sooner or later, your wife will drive home
one of the best reasons for owning a Volkswagen.

 
Women are soft and gentle, but they hit things.
If your wife hits something in a Volkswagen, it doesn't hurt you very much.
VW parts are easy to replace. And cheap. A fender comes off without dismantling half the car. A new one goes on with just ten bolts. For $24.95, plus labor.
And a VW dealer always has the kind of fender you need. Because that's the one kind he has.
Most other VW parts are interchangeable too. Inside and out. Which means your wife isn't limited to fender smashing.
She can jab the hood. Graze the door. Or bump off the bumper.
It may make you furious, but it won't make you poor.
So when your wife goes window-shopping in a Volkswagen, don't worry.
You can conveniently replace anything she uses to stop the car.
Even the brakes.