創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(46)VWビートルの広告(19)

マーケット(消費者)を刺激するために、次から次へとモデル・チェンジを繰り返すのが流行しはじめて半世紀---しかし、外観を変えないマーケティング・ポリシーだってあるのです。


外観を変えないことをメリットとして告知するには---




'54年型を'64年型に見せるには---。


塗装し直してください。
ね? 来年のモデルみたいですね。
来年のモデルといえば、去年のモデルのようにも見えます。そうなるようになっているのです。
VWは、いつでも同じように見えます。私たちは、変わったと見えるようにするためにではなくて、少しでもよく動くようにするためにのみ変えるからです。
ですから、'63年型のVWをお求めになった方は、'64年型がどんな型かなどと神経を使ったりはなさいません。私たちだってそんなことは考えません。
私たちは500万台以上のVWをつくりましたが、いまだに改良しています。
あなたに毎年新しいのを買い替えていただくほどではありません。
でも、気をつけてご覧になればおわかりになる改良です('64年型だけでも14ヶ所)。
とにかく、あなたが何年型をお持ちであろうと、あなたは、いつでも部品を簡単に手に入れることができます。ほとんどの部品が何年経っても取替え可能だからです。
ですから、お気に召したら、あなたはご自分の古いVWを永遠にお使いになることもできるのです。
2,3年ごとに吹きつけなさればいいのです。
古い塗装の上にでもちゃんとのりますから。




How to make a '54 look like a '64


Paint it.
See? It looks like next year's model.
And next year's model looKs like lost year's model. And so it goes.
VWs always look the some because we change the car only to make it work better, never to make it look different.
So the people who bought '63 VWs aren't nervous about what the '64s will look like. And neither are we.
We've made over 5million Volkswagens, and we're still making changes.
Not enough to make you run out and buy a new one every year.
But enough to notice the differences when you do. (14 changes for '64 alone.)
In the meantime, no matter what year VW you own, you can always get parts easily; many of them are interchangeable from one year to the next.
So if you like, you con keep your old VW running forever.
Just spray it every few years. old point rides again.


ところが、DDBニューヨーク本社のVWチームよりも一足先に、DDBロサンジェルス支社のクリエイティブ・チームが、こんなロード・サイン(道路ぞい大看板)を掲げていたのです。
自社内でのアイデア競争って、楽しそう。



どうして一足先って分かるか? ここでは年式がものをいいます。