創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(25)リヴィパンの広告(2)

  Mr. William Taubin

DDBでは、古参のアートディレクターとして、落ち着いた感じの、しかし、どことなくユーモアがただようキャンペーンを手がけています。大人のデザインといったらいいでしょうか。リヴィパンの人種シリーズもその一つ。
自身は、ユダヤ教徒の中でもコンサーヴァティブ派…生活戒律の70%を守る派。それと、アートディレクティングとどう関係があるのかは、問い忘れました。



「リヴィのパンを好きになるのに、ユダヤ人にならなきゃ…なんて法はありません」


The 43th The Art Directors Club of New York(1964) Gold Medal Award


AD: William Taubin
CW: Judy Protas
Photo: Michael Nebbia
PD: Ernest Hartman

これは、中国人でしょうか、それとも、ヴェトナム系? あるいは日本人?
いくら人種の坩堝のニューヨークとはいえ、民族衣装を着せないかぎり、東洋人の国を特定するのは困難。だから、これは、東洋人とはわかる骨格の素人モデルを起用。その素人らしさがメッセージを納得させます。

日本人は、ここ15年ばかり前から「ベーグル」という名の、健康食としての発酵ユダヤ・パンを知りましまた。ニューヨークでは、このシリーズによって、ユダヤ・パンがほとんどの人種に試されたとも思えます。

>>(3)に続く。