創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

(106)ポーラ・グリーン夫人とのインタヴュー(5)

(DDB, Vice President, Management Creative Supervisor)


『みごとなコピーライター』誠文堂新光社 ブレーンシリーズ 1969.7.15)の前書きに、あたかも〔あとがき〕の謝辞然と、「良き助手として資料の整理をすすめてくけた中村嬢、坂井・栗原夫人、さらにはインタヴューを手伝ってくれた大井君、尾崎嬢らの協力がなかったら、この本はできなかった」と書いている。
もちろん、より大きな協力者は、快くインタヴューに応じてくれた〔みごとなコピーライター〕たちだが---。この人たちには、いまは、もう、誰も会うすべを持ってはいない。言葉と作品だけが残されている。そして、それらが放つ光彩は、志ある人たちだけに見える。
これは、もう1冊の『劇的なコピーライター』 (同 1971.3.10)とても同様である。
収録したうち5人はすでに紹介ずみ。ポーラ・グリーン夫人は6人目(もっとも、この順番にはなんの企みもない)。


ポーラ・グリーン夫人とのインタヴュー(1)(2)(3)(4)

部下のコピーライターの指導法


グリーン夫人の話は、だんだんと核心に触れてきました。コピーライターはどうあるべきかを、優しい言葉で語ってくれ始めたのです。
そこで、急いで次の質問に移りました。グリーン夫人の気分の波が引かないうちに、聞きだしておきたかったからです。


chuukyuu「あなたの部下のコピーライターの指導法は?」


グリーン「そうね---(笑)。特に教授法といえるかどうかわかりませんが、問題があたったらなんでもいいから、とにかく、わたしのところへ持ってきて話し合いましょうと言っています。わたしもなるべく、彼らの才能を育てるように努力しています。
で、まずいちばん初めに、彼らに与えるアドバイスは、問題の核心をつかみなさいということです。あるサインがあたえられた時に、そこで勝手にこれこそ問題であるといって、自分の好きな問題だけを見出さないで、真の問題を認識しなさいということです。
これは、この分野にだけ言えることじゃなくて、すべての場合に当てはまることですけれど、とにかく成功するためには、いちはやく問題の核心をつかまえなければなりません。
場合によっては、比較的簡単なものを見つけて、これこそ問題である、という間違った認識をすることがあります。
で、まずいちばん初めに、彼らに与えるアドバイスは、問題の核心をつかみなさいということです。あるサインがあたえられた時に、そこで勝手にこれこそ問題であるといって、自分の好きな問題だけを見出さないで、真の問題を認識しなさいということです。
これは、この分野にだけ言えることじゃなくて、すべての場合に当てはまることですけれど、とにかく成功するためには、いちはやく問題の核心をつかまえなければなりません。
場合によっては、比較的簡単なものを見つけて、これこそ問題である、という間違った認識をすることがあります。
あとは、わたし、情熱ということも言います。その立場に、ある程度固執してやるということです。しかし、必ずしも独断的であれというものではありません。ひとつの興味をいだいて、それにこだわれというのではないの。
比較的やかましく言うのは、あいまいなことはだめ、いつでも正確であれ、ということです。それから、明晰さ、簡潔さを好みます。利口さのための利口さ、そういう小器用なやり方っていうのは、好きじゃないの。
非常にむずかしい組み合わせですが、clear-mind と、そしてopen-mind と、この2つの組み合わせがあれば、非常に望ましいと思います。
わたしは、いままでDDBで接触してきたたくさんの人たちからいろんなものをとてもたくさん得ていますし、それはわたし自身のためにすごくなっていると思っています。
まあ、詳しいことは、わたしの部下たちのところへ行って、皆さんの意見をお聞きになってくださいな(笑)」


グリーン夫人の言葉は、ロン・ローゼンフェルド氏が、バーンバック会長の言葉として銘記していると語ってくれたもの、そのままでした。


【注】ロン・ローゼンフェルド氏とのインタヴュー (1)(2)(3)(4)(5)(了)

不採用になった試作の1点googleでAvis advertisingを検索すると、なぜか、最初にこの広告があらわれる)


Avis can't afford not to be nice.

エイビスは、「いいね」と言われないことを
許しません。

生きのいいスーパー・トルクのフォードの新車をお貸ししないことも、ダラスでどこでおいしいパストラミ・ライ・サンドを買えるかをお教えしないことも。
なぜ? ---って。
あなただって業界最大手でなきゃあ、もっとしっかりやるでしょう。
私たちはやってます。
私たちは、2位にすぎないのです。


ポーラ・グリーン夫人との、もう一つのインタヴュー記録。
いわゆる「DDBルック」を語る(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)(9) (10) (了)


これまでにアーカイブしたエイビス・キャンペーン
DDBの広告]エイビス(01) (02) (03) (04) (05) (06) (07)


DDBのみごとなコピーライターたちとの単独インタヴュー(既掲出分)


デビッド・ライダー氏とのインタヴュー
(1) (2)

ロバート・レブンソン氏とのインタヴュー
(1) (2) (3) (追補)

ロン・ローゼンフェルド氏とのインタビュー
(1) (2) (3) (4) (5) (了)

フィリス・ロビンソン夫人とのインタヴュー
(1) (2) (3) (4) (5) (6)

ジョン・ノブル氏とのインタヴュー
(1) (2) (3) (4) (了)

Interview with Mrs. Paula Green(5)

(DDB, Vice President, Management Creative Supervisor)
<<(1) (2) (3) (4)


chuukyuu How do you lead and teach your young writers?
Mrs.Green Let me see, I hope I encourage them to be fresh and bright and to face the real problem of the assignment, not to face the problem they prefer. I think the most important problem in growing up in this business is "are you dealing with what the problem really is" or do you say " I don't like that problem. I'd rather do this." I think the problem is always putting in you mind on what the real question is, not the question you like.
I really do not know how I reach. I hope with enthusiasm with a firm view point , but not dogmatic, and by being very demanding. I like preciseness. I do not like vagueness. I like clarity, I like simplicity, I do not like cleverness for the sake of cleverness. I like clear-minded people who have a mind of their own; open -minded at the same time. And this is a hard combination. But I taught in the past.


(6)>>