創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

[6分間の道草](463)シーヴァス・リーガルの広告(10)

「父の日」は、6月の第3日曜日なんですってね。 子どもとの縁が薄かったので、あまり意識したことはなかったのですが、『ニューヨーカー』の一連の広告をみるたびに、「世のお父さんたちは、そうなんだ」とおもいましたが、キミは贈られてますか? 父の日…

[6分間の道草](462)シーヴァス・リーガルの広告(9)

製品に人格を付与すると、広告が人生を演じてくれると、お思いになりませんか? 企業であっても可能です。 ただし、広告主側も、創り手側も、Nobody's perfect.を信じること。 観手側も、そう思って、小さなドラマを楽しみましょう。(生意気言っちゃって、…

[6分間の道草](461)シーヴァス・リーガルの広告(8)

このシーヴァスのシリーズが新局面を迎ることができた理由(わけ)を、繰り返します。 khalki さんに[ニューヨーカー・アーカイブ]の存在を教えていただきました。 『ニョーヨーカー』誌は、ぼくが米国の広告を学びはじめたときに定期購読をした最初のメデ…

[6分間の道草](460)シーヴァス・リーガルの広告(7)

お色直し(カラー版)で再登場です。 khalki さんにつづいて、hiroysato さんが、DDBによるシーヴァス・リーガルの広告のカラー版のあり場所を、コメントに書き込んでくださいました。 シーヴァスのシリーズは、2008年10月1日から6回にわたって紹介しまし…

[6分間の道草](459)『DDBドキュメント 2』予告

拙編著『DDBドキュメント』(ブレーン・ブックス 1970.11,10)は、許可をとって『DDBNews』の中から適宜に選んで翻訳したものです。そのほとんどは、当ブログにアップしました(近く、目次をつくりましょう)。当ブログのタイトルにした拙著『創造と環境』…

ガレの花瓶

今日の、始業後10分間のクリエイティブ・センスアップ・ミーティングは、chuukyuu 秘蔵のアール・ヌーヴォーの巨匠ガレの花瓶の署名に触って霊感をもらう集まり。 デザイン学校出の社員が大半だから、アール・ヌーヴォー運動の解説など不要。 実物を見るのも、…

[6分間の道草]DDB マーケット調査部門(M.R.D.)の機能

つい、このあいだ---5月15日の当ブログに紹介した、バーンバックさんの秘書Mrs.Nancy Costlowからの1964年1月20日付の手紙に、DDBの扱い高の推移とアカウントの開いた年リストに加え、DDBの市場調査部の機能を同封するとあったことを、ご記憶でしょう。その…

(457)DDBのスタイリング部は女性のトリデ

例によって、資料庫を漁(あさ)っていたら、不思議なファイルが出てきました。 『ニューヨーク・タイムズ』紙、『アート・ディレクション』誌などが載せたDDBに関する各種記事の切り抜きです。どの広告主がDDBと契約したの打ち切ったのといった消息から…

[効果的なコピー作法](11-了)

これで、40数年前に書いた『効果的なコピー作法』のすべての章をアップしました。[第12章 銘柄の区別]は、いま流行りの気どり語でいうと「ブランディング」でしょうか。 デレビ・コマーシャルは、ほかの人のほうが、かゆいところに、手がとどくとおもって…

[効果的なコピー作法](11-3)

第11章コピーの信頼(3) 資料庫を数ヶ月にわたり、思いついては捜したのは、きょう引例したこの広告と、明日お見せするカラーの現物です。2点とも、カラーとモノクロでは、衝撃力・説得力が格段にちがいます。 いくら捜してもみあたらないので---というこ…

[効果的なコピー作法](11-2)

第11章コピーの信頼(2) >>『効果的なコピー作法』目次 猫を箱から出したのは、だれか? 今までの段ボール箱の内面は、磨き砂のようなものでした。無数の小さなツメが、入れたものをひっかきました。冷蔵庫や家具は、ときとして擦り傷をつけられて届けられ…

[効果的なコピー作法](11-1)

46年前の1963年に上梓した『効果的なコピー作法』(誠文堂新光社)を、Web上で復元しています。積み残していたこの[第11章 コピーの信頼]で、すべての章をアップし終えたことになります。 [はじめに]にも記していますが、当時は誠文堂新光社か…

[効果的なコピー作法](8−了)

第8章 コピーのユーモア (4) 地下鉄駅の壁面ポスター (ニューヨークの地下鉄は落書きの花ざかりだった時期がありました) メンズ・ショップ 同上オーバックスではそれだけしか払わなかったって、ほんとなの? 同上 「ぼく、思うんだけどさ、学校って、 …

[効果的なコピー作法](8−4)

第8章 コピーのユーモア (3) 木曜日に、オーバックスでご覧ください! オーバックス史上最大の輸入コレクション! パリ、ロンドン、イタリー、マドリッドからの最高ファッションのすべて。デザイナーさえ驚いた完全なコピー---時間をかけてできたホンモ…

[効果的なコピー作法](8−3)

第8章 コピーのユーモア (3) レクチャーの前の雑談と思ってください。この章の(2)にカートゥーン作家のサヴィニャックに触れて、広告する製品とあまり結びつかないユーモア---とつい、言ってしましました。 頭の隅に、トミ・アンゲラーによる『ニョー…

[効果的なコピー作法](8−2)

第8章 コピーのユーモア(2) 「トナカイが飛べるなんて柾拠はどこにも ないんだし。だいたい、ひとりの人間が、 一夜のうちに世界中の煙突にいけるなんて話、 バカげてると思うな」 何でもわかってるつもりの人たちもいます! でもね、ぼっちゃん、サンタ…

[効果的なコピー作法](8-1)

早書きの例の本---と自嘲している、『効果的なコピー作法』(誠文堂新光社 1963.12.15)に積み残したままになっていた章の落ち穂拾い---いや、遠慮は美徳のこの国では「残りものに福あり」ともいいます。 関西の家電メーカーの宣伝部から、日本デザインセン…

(456)DDBの誠実さ・正直さ

最初、「こんな、〔時代のお化け〕みたいなものまで公開して、アクセスした人は、果たして、感心してくれるだろうか?」と、逡巡した。 1964年1月20日付のDDBのバーンバックさんの秘書の一人---Mis.Nancy Costlowからの手紙と、それにつけられた資…

(455)ボブ・エルゴート氏とのインタヴュー(了)

エルゴート氏とのインタヴューのアップ終了をもって、拙編著『みごとなコピーライター』(1969.7.15)と『劇的なコピーライター』(1971.3.10)に収録した24人全員を、2年近くを要してネット上に再録することができました。ぼくを追い抜いて行く人たちの…

An interview with Mr.Robert Elgort(5)

Young & Rubicam, Inc. Vice-President, Associate Creative Director(1970) chuukyuu Is there any knack to making a quick judgment on a copywriter's talent? Mr.Elgort If there is, I haven't found it. There are times when you can spot talent qu…

イタリア・ジノリ窯のグロテスク人形への道

【クリエイティブ・センス・アップ・ミーティング】 G.W.あけの水曜日。始業9時50分からの10分間ミーティングのサブジェクトは、イタリアの製磁ブランド、ジノリ窯のグロテスク人形への道。 マイセンの錬金術師ベトガーがカオリン(磁土(石))を発…

An interview with Mr.Robert Elgort(4)

Young & Rubicam, Inc. Vice-President, Associate Creative Director(1970) chuukyuu I wonder if you were trying to pun the phrase "Give a damn" on "Give a dime." Mr.Elgort Definitely not. For one thing I hate puns. And for another, we really …

(454)ボブ・エルゴート氏とのインタヴュー(4)

金子秀之さんが送ってくださった公共広告を集めたCDの中に、『ギブ・ア・ダム』のCMは、幸い、[家主]が収録されていました。一両日のうちに、[家主]をYouTube に。あとは、発見でき次第、追加することにしましょう。(2)の[葬儀]の所在をご存じの…

An interview with Mr.Robert Elgort(3)

Young & Rubicam, Inc. Vice-President, Associate Creative Director(1970) Mr.Elgort The campaign for Mayor Lindsay is quite another story. A poll taken in March of 1969 showed that something like 78% of all New Yorkers would vote for anybody…

(453)ボブ・エルゴート氏とのインタヴュー(3)

ヤング&ルビカム社 副社長兼アソシエイト・クリエイティテブ・ディレクター(1970年当時) 男というのは、ほとんどが、いろんな意味で政治が好きらしい。小さくは社内政治、町内政治、すこし大きくなって市会、県会(学会)、そして国会、党内、もっと広くな…

An interview with Mr.Robert Elgort(2)

Robert Elgort Young & Rubicam, Inc. Vice-President, Associate Creative Director (1970) chuukyuu Please tell us the episodes or background stories concerning these campaigns. Mr.Elgort Let's begin with the Give a Damn Campaign. To understan…

(452)ボブ・エルゴート氏とのインタヴュー(2)

ヤング&ルビカム社 副社長兼アソシエイト・クリエイティテブ・ディレクター(1970年当時) DDBが起爆剤となり、1960年代の後半から'70年代の前半にかけて、米国の広告クリエイターたちのあいだでは、地殻変動とでも呼べる変化が起きていました。延因…

An interview with Mr.Robert Elgort(1)

Robert Elgort Young & Rubicam, Inc. Vice-President, Associate Creative Director(1970) chuukyuu Among your work so far done, name the two ads that you like best and tell us the reason why. Elgort With your indulgence, I should like to name …

(452)ボブ・エルゴート氏とのインタヴュー(1)

ヤング&ルビカム社 副社長兼アソシエイト・クリエイティテブ・ディレクター(1970年当時) 1970年4月30日、ニューヨーク・ヒルトンでのアンディ賞のパーティーでエルゴート氏は、いくつかの賞を受けた。 それは、公共キャンぺーンとリンゼイ市長の選挙キャンペ…

ステファン・ベイカー氏による『クリエイティブ時評』

G.W.くずれの英語圏優先扱いの第4弾 この抄訳文は、1965年4月号『ブレーン』誌に掲載され、「DDB的」という呪文が日本でも拡がりかけました。『アート・ディレクション』誌1960年1月号 ステファン・ベイカー氏による[クリエイティブ時評] (同誌、同…