創造と環境

コピーライター西尾忠久による1960年〜70年代アメリカ広告のアーカイブ

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

(234)[VWビートルの広告](134)

誌面と画面のコラボレイション 「神工鬼斧(しんこうきふ)」 20世紀に創られた広告の中で、「最高」との栄誉を与えられている”Think small." のボディ・コピーのバリエイションを5種類、収集しています。別に意図して集めたわけではなく、調べているうち…

(233)[VWビートルの広告](133)

誌面と画面のコラボレイション 「流芳(名声)後世」 1949年に、米国で2台のフォルクスワーゲンを売りました。 その2台のフォルクスワーゲンのオーナ-は、ずいぶん笑われたようです。 でも2人には、フォルクスワーゲンを持ちつづけるだけのちゃんとした理…

(232)[VWビートルの広告](132)

誌面と画面のコラボレイション 「縦横無尽」 フォルクスワーゲンは、前にも、 後ろにも、走れます。 速くも 遅くも、走れます。 上り坂でも、 下り坂でも、走れます。 さらに方向転換もできます。 すばらしいでしょう? A Volkswagen can go forward and bac…

(231)[VWビートルの広告](131)

誌面と画面のコラボレイション 「金甌(きんおう)無欠」 こんなにたくさんの人がフォルクスワーゲンを検査しているんですよ。 あなたの車と新しいフォルクスワーゲンの間にある障害物はたったの二つ。 1,799ドル そして、1,104人の検査員 値段のほうは、あ…

(230)[VWビートルの広告](130)

誌面と画面のコラボレイション 「同軌同文」 40年前の1969年の秋、この広告を見たときは、鉄拳が、ガッツンと頭の芯まで届いた気分だった。 イケメンじゃないけど、性能は非凡。 (または) 不恰好ですが、運んでってくれますよね。 copywriter:Larry Leve…

(229)[VWビートルの広告](129)

誌面と画面のコラボレイション「不易流行」 栄光の彼らは、いま、いずこ? さあ、私たちと彼らの過ぎ去りし栄光の日々をふり返ってみましょう。 時は1949年。自動車はどんどん長く、低く、そして野生的になっていきました。 重々しいバンパーが大ヒット。…

(447)ピンナップ・エイジェンシー(2)

リサーチ,イエス。でも、アイデアも---。 -----よい趣味(テイスト)は売り上げに結びつく----(『ニューヨーク・タイムス』紙 1958.4.4 「広告畑」コラム by Carl Spielvogel (2)抄訳) 1957年10月31日の『ニューヨーク・タイムズ』紙に、DDBは、主…

(446)ピンナップ・エイジェンシー

先日、資料庫へ入って探し物をしていて、古いスクラップ・ファイルを見つけた。 中に、1958年4月4日付の『ニューヨーク・タイムス』紙「マジソン街の話題]コラムとでも呼ぶべき記事が入っていた。 1958年といえば、51年前である。VWビートルのキャンペーン…

シャネルのものづくり哲学

【蛇足】きのうは、オフィスでの始業直後10分間のクリエイティブ・センス・アップ・ミーティングの日であることを忘れていて、素材を持たないで出社したので、即席で話した。 シャネルは傑出した衣装デザイナーであるばかりでなく、ものづくりの哲学を持って…

(445)DDBタッチ

(1965.9.25の『アド・エイジ』紙のステファン・ベイカー氏のエッセイ・コラムより抄訳) 広告代理店で働く人びとにとって、自分が働いてもいない広告代理店が優れているということを、公然と認めることは、容易なことではない。それなのに、多くの人たちが、そ…

【用法】オーバックス----初めはつつましやかだったこの店が、どうしてファッション界における高い位置にまで達することができたのでしょう? その答えは、疑いもなく[クリエイティビティ]です。マーチャンダイジング、広告における[クリエイティビティ]…

(444)デラ・フェミナ著『広告界の殺し屋たち』(8)

(原題『真珠湾をくれたすばらしい民族から』)の抜粋 誠文堂新光社 西尾忠久・栗原純子訳 1971.4.30) 第2章 「スピーディー・アルカ・セルツァー」の死(8) 聡明で若い代理店でもガソリソのような場合は息づまるようなこともあるだろうが、変わった方法で…

【用法】私たちが伝えなければならないのは---これは正直な車です---ということだったのでしょうか。(少略)私たちのような少ない広告予算ではそうはいかなかったのだということを申しあげたいのです。真実を告げるということと、それに人びとの耳を傾けさ…

(443)デラ・フェミナ著『広告界の殺し屋たち』(7)

【用法】 アイデアは、説得の兵器庫にあるもっとも強力な銃です。アイデアは愛と同様に分析するとができません。分析しようと努力ればするほど、その火花は消え、見えなくなってしまいます。そう、広告界にはたくさんのすばらしいテクニシャンがいます。しか…

(442)デラ・フェミナ著『広告界の殺し屋たち』(6)

【用法】うまく使えば[クリエイティビティ]は、もっと経済的に、もっとたくさん売ることができるはずだからです。うまく使われた[クリエイティビティ]は、広告の働きを10倍にもします。(「ウィリアム・バーンバック氏、広告はアートである」(1))←( …

(441)デラ・フェミナ著『広告界の殺し屋たち』(5)

【用法】あなたの信じていることは、もしあなたが深く信じていれば、そしてそのことについてよく知っているならば、たとえあなたが競争相手と同じような技量を持っていなくても必ずうまくいくものなのです。 もし深い信頼と技量の両方を持っていたら、鬼に金…

(441)デラ・フェミナ著『広告界の殺し屋たち』(4)

【用法】 あなたもお分かりのように、あなたは今まであなたの上にふりかかってきたことの結果として生じたものがあなたなのです。 だから、ここで、どれから大きな影響を受けたというようなことは私にはできません。すべてのものの総合なのですから。 さらに…

(441)デラ・フェミナ著『広告界の殺し屋たち』(3)

【用法】私の信条は---製品の利点をアイデアが記憶に残るように伝えるということです(このために新鮮で独創的でなければなりません)。 もし、この世のすべてのルールを破ることでそれができるのなら、私はこれらのルールが破られることを望みます。 自分の…

(440)デラ・フェミナ著『広告界の殺し屋たち』(2)

【用法】私は、この仕事についてかなりよく知っているつもりですが、今でも私は、自分の個性を押しつけてはいません。 私が見つけようと思っているのは、彼らの個性はなんであるか、ということ、そしてそれを育てることです。 ですから、私は、この会社にす…

(439)デラ・フェミナ著『真珠湾をくれたすばらしい民族から』(邦題『広告界の殺し屋たち』)からの抜粋(1)

【用法】 これを使いさえすれば安心というような方程式でもあれば教えてさしあげるのですがね。 そんなものはないのです。 しなければならないことは、 絶えず働くこと、 絶えず考えること、 自分がしていることにできるだけ誠実であること、 絶えず練習する…

An interview with Mr.Jerry Della Femina(10)

Della Femina Travisano & Partners, Inc. President President <

(438)ジェリー・デラ・フェミナ氏とのインタヴュー(了)

【用法】私たちは決して製品についてはクライアントとおなじには知ることができないと考えています。なにしろ、クライアントは、製品と寝食をともにしているのです。クライアントはそれをつくったのです。生活の大部分をそれとともにすごしているのです。私…

An interview with Mr.Jerry Della Femina(9)

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(437)ジェリー・デラ・フェミナ氏とのインタヴュー(9)

【用法】私は書くことに興味をもっていました。また、美術にも関心がありました。そして、書くこととアートを広告の中で行う機会がやってきたとき、その機会を利用しようとしただけなのです。 (「ウィリアム・バーンバック氏、広告の書き方を語る」(1)) …

An interview with Mr.Jerry Della Femina(8)

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(436)ジェリー・デラ・フェミナ氏とのインタヴュー(8)

『中原中也記念館』は、生地に建っている(山口県山口市湯田温泉1-11-21)。立ち寄ってきた。館内にはI氏と2人きり。 愛児・文也(2歳)の遺体を抱き、納棺を拒んだという日の日記(昭和11年7月24日)の一部。 【用法】俺の蔵書だけは、売らぬこと。それ…

An interview with Mr.Jerry Della Femina(7)

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(435)ジェリー・デラ・フェミナ氏とのインタヴュー(7)

【用法】アリスは、土手の上で、お姉(ねえ)さんのそばにすわっているのがもとても退屈になってきました。おまけに何もすることがないのです。一、二度、お姉さんの読んでいる本をのぞいてみたけれど、その本には江もなければ会話(かいわ)もありません。…

An interview with Mr.Jerry Della Femina(6)

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(432)ジェリー・デラ・フェミナ氏とのインタヴュー(6)

【用法】スーパーマーケットの棚で、商品が列をつくっている町ではコンセプト・アドが育ち。スーパーマーケットの前で、人間が列をつくっている町ではコンセプトは無用に等しい。 (土屋耕一『コピーライターの発想』(講談社現代新書 1984.3.20)) (chuuky…